朝が好きになった

そういえば、いつからか朝が好きになっていた。

 

朝の空の色や風や空気が好きになっていた。今では少し無理しても時間を設け、眠気眼を擦っては朝に散歩している。束の間、幸せだなと思える大切な時間だ。

朝の良さに三十余年かけてようやく気付いたということか。少し遅かった気がしないでもない。

 

朝は嫌いだった。

 

朝は眠い。

ブルーハーブの「何時だろうと朝は眠い」というリリックには深く頷いたものだ。いや、今も頷いているがそういうものだと居直った節はある。

 

朝は気分が悪い。

低血圧なのか低血糖なのかコルチゾールの分泌に異常があるのか、原因は定かでないが目覚めは陰鬱な気分と共にやってくる。特に深酒した翌朝は最悪だ。消えて無くなりたくなる程、辛い気持ちになる。

 

ってあれ、なんの話してたんだっけ。

朝が好きになった話してたはずなのに。

 

そうそう、そういうネガティブなことを引っ括めても朝は良いなと思っているのだ、今は。

 

朝の空の色ほど綺麗なものがあるだろうか。朝の空気ほど気持ちの良いものがあるだろうか。

 

朝の風に吹かれて眠気が飛んでいく頃、私も地球の民としての遺伝子を受け継いでいるのだとつくづく思う。

朝が大嫌いだったあの頃の自分に言っても信じてもらえないだろうが、この体も朝を美しく感じるようにできていたのだ。

たくさんの生き物が何万年もそう思い続けたように。

 

三寒四温

まだまだ寒さは残るが、日に日に色付きが増していくのを楽しみに、明日も朝を迎えたい。