野良録音「ブーゲンビリアの木の下で」について

最近、野良録音という企画を企てて、TwitterやらYouTubeにアップロードしている。
先日、「ブーゲンビリアの木の下で」という楽曲を夜の田園で録音し投稿した。

この楽曲、10年くらい前に作った楽曲で、バンド編成の録音を行って、動画としても投稿しているのだが、それ以降はあまり歌った記憶がない。
と言うのも、思い入れの強い楽曲なので歌っていると大変辛い気持ちになってしまうからだ。昔、友人のガラムマサラさんと多摩川沿いで一緒に歌った時、幸いにもこの曲をリクエスト頂いたが断った記憶がある。楽しい夜だったので、とても歌う気分になれなかったのだ。そのことは今でも少し気にしている。

その余韻もあって、野良録音を考えたときに早い段階で「ブーゲンビリアの木の下で」を歌おうと決めていた。そして実際に歌ってみた。ギターも歌も全く練習していない状態での録音。イントロの6連符を叩くのもいつ振りなのか最早わからない。しかし最初のAmを弾いた時点でいつかは覚えていないあの頃へ引き戻される、自分にとってはそんな魔力を持っている楽曲。おそらく10年前とは声質も歌い方も変わっているはずなのに、楽曲に声が引っ張られていくようだった。案の定、歌い終わった後は懐かしいカタルシスが胸中に残った。私の開発した武器は埃をかぶりながらも虎視眈々と出番を待っていたという訳だ。

楽曲を投稿したTwitterガラムマサラさんからのリツイートがあり、聴いてもらえたことが分かった。ありがたくも非常に嬉しかった。もちろん、あの夜の多摩川で生で聴いてもらえたらそれが一番だったろうが、10年近い時を経て、お互い死ぬこともなく、夜の弾き語りの「ブーゲンビリアの木の下で」を聴いてもらえたことには大きな意義を感じる。

ありがとうございました。