朝の憂鬱に対しての解消法

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私は朝が苦手だ。その日に起こるであろう一切を考えると、憂鬱で憂鬱で仕方なくなる。朝目が覚めた瞬間と共に訪れる絶望感、焦燥感、寂寞感は泣き叫びたくなるほどで、人生を恨み未来を恨み関係を恨みながら只々布団の中で繭のように篭っている他、これを解消する手立てはないかのように感じられる。しかし、生活するためにはそうも言っていられない。そこで私なりの朝の憂鬱解消法を以下の通り紹介したい。

 

①睡眠の量と質を確保する

そもそも睡眠が不足していたら気分が落ち込むのは当然だ。睡眠欲求は生理的欲求のひとつで、これが満たされていないと本能的に死を察知して憂鬱になる。時間だけでなく質も大切で、暗くする、機械的な雑音を入れない、眠りやすい室温にする、良い空気を保つことが個人的に重要だと思っている。

 

②散歩する

散歩のメリットは主に①体を動かし脳を活発にさせる②陽の光を浴びて眠気を飛ばす③排泄を促すことだ。二度寝したいという気持ちを振り切って外へ歩き出すと、ある一時から眠気と憂鬱が風に飛ばされていくような感覚になる。歩行により排泄が促されるので胃腸の調子も良くなる。蛇足だが腸がきれいになると不思議と気分が良くなる。腸は第二の脳といわれているので、気になった方は調べてみて欲しい。ただし睡眠時間が不足する位なら散歩せず眠っていた方がいい。朝に散歩するなら「最低7時間は睡眠を確保する。そのうえで朝の30分を散歩にあてる」などとルール化し睡眠時間を削らないようにしたい。

 

③風呂に入る

睡眠中は体や脳を休めるため体温がかなり下がっている。そこから徐々に体温が上がっていき目覚めるのが自然なのだが、起床時刻が決まっているとなかなかそうもいかない。深い眠りの最中に起きると体温は低いままだ。私の場合、体が冷えているとネガティブになるが、おそらく多くの人もそうだと思う。朝の憂鬱に体温は密接に関係している。風呂に入り体を温めていると守られているようで段々と安心してくる。熱めのお湯に浸かると体が刺激され眠気も軽減される。ただし、疲れるので長湯は避けたい。

 

④晩酌しない

これは補足になるけれど、アルコールは本当に気分に良くない。鬱病の診断をするにあたり、まずは4週間の禁酒を指示するところもあるようだ。これはアルコールを抜かないとフラットな精神状態が診断できないからだとか。とは言っても飲みたくなるよね。かくいう私も晩酌しないと一日が終わらないタイプの人間である。むしろ晩酌のために生きていると言っても過言ではない。ただ、飲み過ぎた翌朝はいつも胸をえぐり取るようなドス黒い憂鬱と対峙している。酒との向き合い方も今後考えていく必要がありそうだ。

 

さいごに

そもそもなんで朝に憂鬱になるのか考えてみた。それは睡眠が体にとって圧倒的に自由な時間だからではないだろうか。体は睡眠中、社会にも、人間関係にも、自我にすらも縛られていない。体の機能の赴くまま、脳の活動の赴くまま、何の制限を受けることなく過ごしていられるのは睡眠中だけだ。

目覚めとともに体の自由は終わる。意思に支配されるからだ。これを体が猛烈に拒んでいる状態こそ、朝の憂鬱の正体なのではないか。

体を支配した自我もうかうかしているとすぐに別の意思に支配される。家族の一員としての意思、世間の一員としての意思、社会の一員としての意思、組織の一員としての意思、、、次々に体は高次の理性が伴う意思に支配されていき「行ってきます」と家を出る頃には体の声ははるか遠くに追いやられている。

悲しいかな、人間は理性的な意思により体の声を振りはらうことで繁栄してきた。もしかすると朝の憂鬱は人間が文化的な生活を営むために背負った対価なのかも知れない。